「熟年移住」で地域は活性化するか!?

 委員会室で突然どーんと音をたてて、人が椅子から崩れ落ちた。テーブルに置いてあった水差しごと絨毯の上に倒れたのは、来年度予算をめぐる公聴会で意見を述べられた労働コンサルタント。委員会質疑は、直ちに停められ、応急の措置がなされた。委員の中に二人いた医者が、直ぐに脈をとるなど対応。救急車を呼ぶ一方、衛士が担架を持ってくるまでにかかった時間が約10分。いささか長く感じた。国会の委員会の最中に、公述人が倒れるというのは、あまり記憶にない。救急病院に運ばれたところ、幸い意識はあり、大事には至らなかった模様だが、日頃の疲れもあったろうし、国会で公述するという珍しい体験に緊張されたこともあったに違いない。危機管理の大事なトレーニングとなった。快癒を祈りたい。

 この日の8人の公述で最も印象深かったのは、島田晴雄慶大教授。来年度予算が手堅く健全なものであるとし、教育、再チャレンジなどメリハリの利いた予算になっていると評価された。そのうえで短期的には格差拡大が懸念されるが、小泉構造改革が格差拡大を産み出したとの批判は当たらないとし、むしろ改革と成長が格差を縮めると強調された。その上で、真に困窮している人たちについて、しっかりと時間をかけて実態調査がなされてしかるべきだとの指摘がなされた。この点は、野党から指摘されながらフリーター、ニートなどの定義が明確でないことを理由に腰を上げようとしない政府にとっては痛い指摘と思われる。

 島田氏の問題提起で面白かったのは、人口減少時代の地方活性化戦略として「熟年移住のすすめ」を提唱されたこと。地域間競争の時代にあって、地域が互いに魅力を高めあうことの重要さを認識した。また、バブル、デフレ期の就職氷河期に落ちこぼれ、機会に恵まれない人々は誰なのかをしっかり調査し、そういった方々を救う仕組みをつくるべしとの話は示唆に富むものと思う。

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