未完としての「政治主導の時代」の記録

 「さらに公明党の赤松理事が『号砲一発論』という考え方を示されました」「公明党の赤松理事は、自民党と公明党の憲法観の違いを際立たせようと意図するやや意地悪な質問に、あえて率直な答弁をされながらも、法案の妥当性を訴えられました」―保岡興治『政治主導の時代』を読んでいると、憲法改正のための手続き法としての国民投票法論議を行った去年の苦闘の日々が鮮やかに思い起こされてきた。

 政治改革から司法制度改革、金融システム、そして憲法改正へ。一貫して統治構造の改革に取り組んできている自民党の保岡さんは生真面目な人だ。こちらが憲法調査会などで言いたい放題で喋っていたことをじっと聴いておられ、それをご自分の30年に及ぶ政治活動のまとめに書かれた。この約15年の日本の政治は、文字通り政治主導の時代への胎動であると私も思う。私が当選した頃、政治家とともに政治改革にむけて伴走していた佐々木毅学習院大学教授(前東大総長)も「政策論議の前に(他に)なおなすべき課題が山積しているという日本の状況に正直に向かい合ったこと、それが一連の改革問題であったのであり、保岡議員はこうした日本の政治の逃れられない宿命を体現した代表的政治家のようにわたしには見える」と述べている。自己宣伝臭の強い政治家の既成の書物とは違い、この15年を丁寧に跡付けた統治構造改革への挑戦史になっていて読み応えがある。

 先日、中山太郎自民党憲法審査会長の呼びかけで、福田康夫首相はじめ衆議院憲法調査会の場で一緒に仕事をした自民、公明のメンバー8人が集った。その際に隣り合わせた保岡さんに、「政治主導の時代」という捉え方の適切さを賞賛する一方、残念ながら未完の闘いの現状を嘆かざるをえなかった。官僚との闘いはまだまだ続く。

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