余計なお世話か、大事な心配か―皇室を引き裂く人たち

 滅多に総合雑誌を買うことはない。興味ある記事はコピーをして読む。こういう手合いが増えたゆえ、雑誌の出版部数が減るのだろうが、知ったことではない。その私が芥川賞受賞作品の全文掲載の号以外で珍しく『文芸春秋』を手にした。総力特集「天皇家に何が起きている」(4月号)に惹かれたからだ。

 皇室に通じる大学教授や作家、精神科医、ジャーナリストたち6人による「引き裂かれる平成皇室」という座談会は、皆で引き裂いているかのようで、興味深い。一読、現代日本の”時代の空気”に皇太子夫妻が感染されている、との思いを強めた。仮に雅子妃が、皇室の伝統としての宮中祭祀に非合理性を感じてしまい、耐えられなくなっているとしたら・・・。美智子皇后が自分は耐えたのにとの思いがあるとしたら・・・。今の家族の中にどこにでもある光景ではあるのだが、ことが皇室であるゆえそれでは済まないと見る人は多かろう。それにしても、秋篠宮家が年45回とほぼ毎週皇居に通っているのに比し、皇太子一家の参内は15回程度、昨年は8月が最後というのには驚いた。天皇後継に向けての伝授の機会がないとの危惧は分かる気がする。

 高橋鉱『平成の天皇と皇室』は数年前に読んだ。「民主主義体制下で即位した最初の天皇だ、という自覚がいまの天皇には明確にある」と言うように、平成天皇を高く評価している通信記者出身の静岡福祉大教授だ。参考人として出席された衆議院憲法調査会の場で話を聴いた。「皇位継承問題で女系天皇化を強硬に主張している」人物との評があるが、それほどとは感じず、率直な物言いの人との好印象を抱いた記憶がある。

 尤もこの座談会中、「マイホーム皇太子でいいのか」のくだりで、高橋さんが「皇太子はジョギングにはまっていて、月に百キロも走る」との事実を取り上げ、「健脚なのは結構なことだけれども、百キロというのは尋常ではない。孤独なのでしょうか」と続けているのには笑えた。私も百キロから二百キロほど走る。余計なお世話も多いのは、皇太子夫妻にとって気の毒としかいいようがない。

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