洞爺湖サミットが近づくにつれて「環境問題」に話題が及ぶことも多い。ただ、気をつけねばならないのは、環境問題といえば即地球温暖化問題とされる傾向が強いことだ。二年ほど前に池田清彦『環境問題のウソ』を読んで以来、CO2の放出による地球温暖化が人類の存続を脅かすとの一連のキャンペーンがいかにウソであるかを知った。地球上には、寒冷化と温暖化が繰り返し登場しており、むしろ太陽の黒点活動による影響が大きいなどといった一部学者の主張が遠ざけられ、専らCO2の排出を減らすことへの大合唱のみが前面に押し出されている。こういった池田さんの主張は新鮮かつ魅力的だった。
この本を読んだことをきっかけに、いろいろと勉強し、衆議院環境委員会で、米国が参画しない京都議定書に果たして意味があるのかとの、私個人としての”一大論陣”を張った(07/12/01)ものだ。とりわけ「米国と中国は環境破壊・ならず者国家」であるとの表現は鋭かったと自賛している。今回、その池田さんと養老孟司さんが組んで『ほんとうの環境問題』なる緊急提言を出したというので読んだ。中身は一言で言えば、「環境問題とはつまるところ、エネルギーと食料の問題である」につきる。地球温暖化問題など瑣末な問題にかまけている日本政府は殆どあほだ、との指摘は身につまされる。
全編これ言いたい放題で面白いの一語だが、池田さんが「民主党がすぐ補助金を出すということを言い出すのはそもそもおかしい」として、農業振興のためやら少子化対策に金をばらまこうとしていることを厳しく批判しているくだりには溜飲が下がる思いがする。
養老さんの「『欲しがりません、勝つまでは』が美談として成立するようなことは、いい加減やめてほしい」との指摘は重要だ。「環境」を新たな国家目標にしては、との風潮が現在あるだけに、なおさら強く意識せざるをえない。
瑣末なことだが、2人の対話で、10歳年下の池田さんの言葉遣いが、えらそうに読めるのは、編集部の失敗ではないか。
Posted on 08.06.02 by AKAMATSU Masao
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