竹中平蔵と榊原英資。方や慶應大学教授を経て経済財政政策担当相などを歴任。方や、大蔵省を経て、今は早稲田大学教授。この二人、ついさきほど勉強の仕方についての本を出した。『竹中式マトリックス勉強法』と『榊原式スピード思考力』だ。両氏とも政治の現場に強い影響力を持つ。竹中氏は、公務を退いてからも、郵政民営化のその後が気になると見え、かんぽの宿問題なので積極的発言を繰り返している。また、榊原氏は、民主党政権が実現すると、恐らく経済財政政策担当相あたりに就任する確率は高いものと一部で見られている。
加えて、今月の『中央公論』5月号の特集『先の見えない時代の勉強術』に、二人とも(他に、姜尚中氏ら)インタビュー構成に登場している。口の悪い友人から「永遠の受験生」と渾名される私としては、いずれも興味深く読んだ。竹中氏については、青年期の勉強への取り組みやら一度社会人になってから学問の道に入るといった生い立ちが大変に面白い。体験記としても読み応えがある。「天井がある勉強」としての記憶勉強や趣味勉強。「天井がない勉強」としての仕事勉強や人生勉強。さらには、「人生を戦うための武器としての勉強」や「人間力を鍛えるための人と人を結ぶ勉強」などといったマトリクスの立て方が面白い。
他方、榊原氏については、情報収集、ディベート、スケジュール管理といった日常的な知的闘い方の基礎を分かりやすく述べている。疑うことの大切さ、知識による感性の磨き方、脳を活かす暗記と復習、脳をやわらかくする方法など、誰しも引き込まれる手法を公開してくれている。郵政民営化や製造業への派遣労働の自由化など小泉構造改革批判も随所に見え、次の内閣への取り組み準備完了といった趣さえある。
この二人の知性の勉強術―さてどちらが実際に役に立つか。自民と民主の経済学者応援団による代理戦争の観もあるが、どちらもアクの強さが鼻につくところが気にはなる。
Posted on 09.04.25 by AKAMATSU Masao
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