日米同盟の正体を見たという人との会話弾む

 著者を囲んでその本をめぐる感想や意見を交換することは双方にとり、楽しいものである。一対一ではそれなりに経験があるが、複数でというのはあまりしたことはない。孫崎享『日米同盟の正体 迷走する安全保障』をめぐって、公明党の関係議員数人とでそれを行ったのは得難い機会だった。太田代表からの指示でもあり、僅か三日間ほどで読んだのだが、大いに知的刺激を受けた。孫崎さんの主張は、「アメリカ一辺倒では国益を損なう」ということに尽きよう。この人は、外務省勤務を経て防衛大学校教授を約7年。このほど退官されたばかり。

 外務省出身で、保守層に根強い支持を得ている評論家といえば、岡崎久彦氏。外務省ではこの両氏だけが、分析課長と国際情報局長を経験した。いわば、孫崎さんにとっては師匠筋にあたるが、「二人の主張点は両極にある」と言われるように、かなりリベラルなスタンスである。とりわけイラクへの米国の軍事介入をめぐって、岡崎さんはかつて、イラク戦争の米勝利は中東地域にとって、「自由と民主主義の勝利への一里塚となるはず」との見解を表明するなど、かなりの楽観的見方を提示していた。孫崎さんにこの辺りについて感想を求めると、先日某総合雑誌誌上で二人が対談されたことを明かされた。そのうえで、様々なことがあっても日本はアングロサクソン(米英)との関係を強化し、協調する選択しかないとの持論を岡崎さんが述べておられたことを指摘された。私的には、岡崎さんには「反省がないな」との印象を受けたのだが、イラク戦争反対の態度をかねて鮮明にしてきた孫崎さん的には、「我が意を得たり」との受け止め方だと見た。

 こう述べてくるとお分かりのように、孫崎さんは、五百旗頭防大校長との立場とも違う。同校長はリアリズムに徹した見方をされており、どちらかといえば中道的といえよう。文字通り、三者三様だ。安全保障分野の専門家を分析するのはことのほか面白い。

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