安易な分割ではなく、現状を活かしながらの負担除去へ《5月26日》

 厚生労働省を分割するという話が麻生首相周辺から浮上している。現状では、あまりに業務が多すぎる、したがってもっと仕事を分けた方がいいということなのだろう。確かに、旧厚生省、旧労働省、社会保険庁といった省庁が、取り扱ってきた医療、介護、年金、福祉、労働など多方面の分野を全部見る厚生労働大臣の負担は大変なものであろう。先に、舛添大臣のところに行った際にも、あまりに多い仕事量に若干の愚痴をこぼされていたことも事実である。

 ただ、だからといってこれを二つや三つに分けるということについては慎重な検討を要する。基本的には仕事量が多いのだから、職員を増やすことなのだが、それが叶わないから分けるというのは単純すぎる。厚生、労働の分野がせっかく一体になって連携が取りやすくなったメリットをまた元に戻すということでは元の木阿弥になる可能性もあり、あまりいただけない。むしろ、問題は大臣に負担がかかりすぎるということに問題があるのだから、トップの負担を分担するということが真っ先にこなければならない。つまり、今の厚生労働省でいえば、副大臣が二人いるが、その仕事を根本的に変えることが大事ではないか。副大臣を添え物的な扱いにしないで、大臣と同等にする責任と権限を与えることではないか。それでは、分割と一緒だと見る向きがあるかもしれないが、そうではない。あくまで、厚生労働大臣のもとで、副大臣の権限を大きく引き上げることである。そうすることで、統合のメリットも活かせることになる。

 ただ、この際に縦割りの弊害をなくすためにも、今の省庁の所掌事務の見直しをすべきとの意見もあろうし、閉塞感打破のために現状改革としての分割が欠かせないとの考え方もあろう。そのあたりも含め、総選挙に向けてのマニフェストに入れるべく議論することは重要で、別に悪いことではない。

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