政府与党が2010年度の予算編成を進めるのにあたり、社会保障費の自然増を2200億円抑制する財政健全化目標を撤回する方針を決めた。新聞はじめメディアは「骨太方針を骨抜き」だといった風に厳しい見方をするものが大半である。一方で、小泉内閣いらいの構造改革路線を批判しておきながら、他方で構造改革路線を踏襲する視点からの攻撃は矛盾しているものと言えなくもない。なにはともあれ、メディアは政権批判が仕事であると決めてかかることが大事であろう。いちいち目くじらをたてていては身が持てないとも言える。
ところで、ついさきほどある新聞で、補正予算を盛大に評価するコラムを掲げていたのを読み、目を剥く思いがした。一つは、減額し続けていた公共支出を、需要拡大へと転換したことについて、政府の経済哲学を根本的に転換したものとして歓迎していた。二つは、長期、短期の公共投資を数多く盛り込んだことを挙げていた。有効需要を作り出すことが雇用対策や中小企業金融対策をより効果的にするとの観点で評価しているものだ。三つはその資金の大部分を公債に依存していることを、逆転の発想よろしく「国債の増加はそれを買う国民の金融資産の増加」だと評価していた。
政府支出の増加をバラマキでムダだとしたり、子孫に借金を負担させるのはおかしいといった財政均衡政策の名の下に収縮した経済政策を一気に転換しようとしていることを歓迎するもので、メディアではきわめて少数意見ともいえ、いささか驚きをもって読んだ。今回の10年度の予算編成にあたって、社会保障費の自然増2200億円の抑制にこだわらないことも、こうした路線に合うものとして、評価されよう。それもこれも、未曾有の危機的状況にある景気が、回復してこそ意味があるという点を銘記したい。
Posted on 09.06.25 by AKAMATSU Masao
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