情緒に流れすぎ、具体的政策提案がないのに、なぜか聴かせた首相演説《10月26日》

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 「私の政治資金の問題によって、政治への不信を持たれ、国民の皆さまにご迷惑をおかけしたことを、誠に申しわけなく思っております。今後、政治への信頼を取り戻せるよう、捜査に全面的に協力してまいります」―総理大臣就任から40日、満を持しての鳩山首相の所信表明演説を聴いた。冒頭に近いところでのこの発言が、違和感をあまり感じさせぬほど自信に満ち溢れた演説ぶりだった。

 率直に言って悪くはなかったとの感想を持つ。情緒に流れすぎてる(“あの暑い夏の日”といったフレーズの繰り返し)とか、具体の政策提案がなさ過ぎる(日米間の懸案を解決するといっても、言葉だけ)との批判は十分される余地はある。しかし、今までの自民党の総理の“総花的政策の羅列”に比べれば、かなり聴かせる中身ではあった。

 民主党の政権運営の切り口は、今のところ鮮やかであることは認めざるをえない。徹底した政治主導による予算における無駄の排除をはじめとして、前の政権の全てを否定するかのごとき手法には恐れ入る。先の衆院選で、「一度民主党にやらせたら」との“政権交代”を望む一般有権者の声。あまたの実績を強調したところで、「それじゃあ、我々の生活が全く苦しく、一向に楽にならないのはなんでか」との声にかき消されてしまった庶民の歎き。

 鳩山首相や小沢幹事長の政治資金をめぐる疑惑を強調しても、そんなことよりもこれまでの政治の仕組みを変える方が先決だろうとの空気が巷には充ちていると思われる。自民、公明はよほど気合を入れて取り掛からねば、KY(空気が読めない)と言われかねない。首相の演説の区切りごとに、沸き起こる耳をつんざく大拍手―思わず手で耳を押さえながら、これからの対処に思いを巡らせた。

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