立場の異なる学者から安全保障観を聞く《1月22日》

PDF(印刷用)

 「冷却する日米関係をどう見るか」と「核問題と日本の安全保障」―今週、二つの外交・安全保障に関する勉強会に出席した。前者は、西原正平和・安全保障研究所理事長、後者は孫崎享前防衛大教授がスピーカー。西原さんは、閣僚の不統一な発言、外交の継続性軽視、友愛外交など、鳩山政権の外交手法の未熟さが原因となって、普天間基地移設問題がこじれている現状を指摘。「緊密で対等な同盟」を掲げ、具体的には、基地負担軽減、駐留経費分担削減、インド洋給油活動停止にみる対米自主姿勢などを強調しているが、米国からは、「では日本はもっと国際的な役割を果たせ」ということになる。東アジア共同体構想や日米中正三角形論を見るにつけ、日本の「離米接中」が始まったとの印象が強い、と厳しく批判。私からは、鳩山政権は、日米同盟の現実を直視せず、日本の実質的独立への理想先行的思考に強く傾いていることの危うさをコメントさせていただいた。

 他方、孫崎さんの講演は、核問題の方向として 1)イラン、北朝鮮の核保有の動向に対して、IAEA、国連安保理と連携し軍事的制裁も含めての阻止で応じる 2)米国の核の先制不使用について、米国の核態勢見直し(NPR)に盛り込むかどうかが注目されているが、日本は北朝鮮の脅威を理由に反対しているのは疑問―などといった指摘がなされた。この中で、孫崎さんが、特に北朝鮮への対応で、「体制崩壊を目指さないことを北に理解させることの大事さ」を強調されたのが印象に残った。

 なお、普天間問題については、米海兵ヘリ部隊を長崎県大村基地に、海兵歩兵連隊を同県相浦駐屯地に移転させるべきだと鳩山首相に対して提案したことを明らかにした。

 私からは孫崎さんに、「鳩山政権の対米政策は中長期の政策と短期の政策を取り違えているのではないか。ハト派的ナショナリストと言われる孫崎さんの影響を中途半端に受けているのではないか」との意見を述べておいた。 

Leave a Reply